今日はナビスちゃんと一緒に、褥瘡(じょくそう、床ずれのこと)について勉強して、アズワンで取り扱っている商品を紹介してみようと思います。
ナビスちゃんです、よろしくね
1.褥瘡とは
まずは褥瘡(じょくそう)についてです。褥瘡は、床ずれともいいます。
褥瘡の定義としてガイドラインを見ると、
「身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる」
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―2:褥瘡診療ガイドライン より抜粋
と記載があります。
寝たきりや座り続けることで長時間同じ姿勢を取っていると、局所的に皮膚が圧迫されます。その部分の筋肉や皮膚の血流が悪くなることで、細胞が傷ついた状態が褥瘡です。
初期は皮膚の赤みや内出血、水ぶくれ、腫れ等が現れ、悪化すると傷口となります。重度の褥瘡になると範囲が広くなったり、深さが深くなったりし、時には皮下脂肪や骨に達することもあります。
近年のトピックスとしては2022年7月1日には日本褥瘡学会が、「褥瘡・創傷専門薬剤師制度」 を制定しました。
(日本褥瘡学会HP http://www.jspu.org/)
また、入院基本料の施設算定基準要件に褥瘡対策として薬剤師や管理栄養士との連携が追加されたことや、在宅医療の推進ということからも褥瘡は注目されています。
今回は褥瘡の基本と商品の紹介をするよ
2.褥瘡の原因は
長い時間同じ場所が圧迫されていることによって褥瘡ができます。
健康な人は褥瘡ができる前に痛くなったりしびれたりするので、姿勢を変えることができますが、寝たきりの方や疾患により痛みやしびれを感じにくい方、栄養状態の悪い方、皮膚が弱っている方は褥瘡ができやすくなります。
自分で寝返りや姿勢を変えられない人にできやすいのよね
3.対策は
予防としては、定期的に身体の姿勢を変える(体位交換)ことが大切です。また基本的に骨が当たる部分に褥瘡ができるので、できやすい場所をクッションなどで保護したり、圧力が1か所に集まらないように分散させることも大切です。栄養状態が悪い場合は、栄養の改善も有効です。皮膚トラブルで皮膚が弱ると褥瘡ができやすくなるので、スキンケアも大事です。
治療としては、傷口を洗浄してきれいな状態を保ち、ドレッシング材などの創傷被覆材を使用して傷口を保護します。必要に応じて、外用薬を使用します。壊死組織がある場合は外科的処置(デブリードマン)を行います。重度の場合は再建術の手術をする場合もあります。
いかに褥瘡を予防できるかが大事
4.取扱商品のご紹介
アズワンでは褥瘡に使用できる商品を数多く取り揃えています。全般のカテゴリは下記から見ることができます。
AXEL ⇒ ★ 褥瘡用品 ★
診療
褥瘡は進行するとポケットという深い傷口になります、ポケットの深さを測ることは治療の方針を決めたり、評価をする際に必要となります。皮膚表面から褥瘡のポケット部の位置確認ができるライトをアズワンでは取り扱っています。
AXEL ⇒ ☆ Pライトセット PR000 ☆
エアーマット・床ずれ予防マットレス
ベッドに使用できる大きなマットレスから、車いす用の小さなもの、患者様の体の床ずれができやすい部分に貼る予防シートなどを取りそろえています。通気性がいいものや体圧分散機能のあるマットレスを使用することで、褥瘡ができにくい環境にすることができます。
また、粘弾性フォームマットレス(ウレタンマットレス)や圧切替型エアマットレスを使用することで、体位交換の頻度を減らすことができます。
AXEL ⇒ ★ エアーマット ★
AXEL ⇒ ★ 床ずれ予防マットレス ★
下記の商品のように自動で体位変換する機能を搭載した商品もあります。
こまめに姿勢を変えるのは大変だから、自動でやってくれるのは助かるね
体位固定クッション
様々な形のものを取扱いしていますので、褥瘡のできやすい部位やすでに褥瘡ができている部分を保護、体位の維持など、場面に合わせて使用することができます。
AXEL ⇒ ★ 体位固定クッション ★
ドレッシング材
ドレッシング材の紹介については一般社団法人 日本褥瘡学会ホームページの「褥瘡の治療について」のページを参考にアズワンで取扱いしている商品をピックアップしてまとめました。実際の商品の選定は、褥瘡の状態を確認し医療従事者と相談の上判断ください。
滅菌についても記載していますが、褥瘡はもともと日常生活で発生するものなので、未滅菌の製品でも問題ないとする考えもあります。
AXEL ⇒ ★ フィルムドレッシング ★
AXELのカテゴリは↑です。治療に使用できるドレッシング材を各種取扱いしています。
創面保護
◇ポリウレタンフィルム:浅い傷口に使用できる主に薄手のフィルム。透明なら状態を確認できる。
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
オプサイト ウンド | クラスⅡ | EOG | ||
オプサイト フレキシフィックス | 未滅菌 | ロール | ||
3M(TM) テガダーム(TM) HP トランスペアレント ドレッシング | クラスⅡ | γ線 | 個包装 | |
優肌パーミエイド® | クラスⅠ | EOG | ||
カテリープラス(TM) CPSシリーズ | クラスⅠ | EOG | 高透湿性フィルムドレッシング | |
キュティフィルム®EX | クラスⅡ | EOG | 個包装 |
創面閉鎖と湿潤環境:湿潤療法の絆創膏と同類の素材のもの。
◇ハイドロコロイド
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
デュオアクティブETシリーズ | クラスⅡ | γ線 | 個包装 真皮に至る創傷用 |
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デュオアクティブ®CGFシリーズ | クラスⅢ | γ線 | 個包装 皮下組織に至る創傷用/標準型 |
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コムフィール プラス | クラスⅢ | 電子線 | 個包装 皮下組織に至る創傷用/標準型 ※アルカスドレッシング後継品 |
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ビジダーム® VDシリーズ | γ線 | 個包装 |
乾燥した創の湿潤:湿潤環境にすることで傷の治りを早くします。
◇ハイドロジェル
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
イントラサイト ジェル システム アプリパック | クラスⅢ | オートクレーブ | 個包装 皮下組織に至る創傷用・異形型 |
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イントラサイト ジェル システム コンフォーマブルドレッシング | クラスⅢ | オートクレーブ | 個包装 皮下組織に至る創傷用・異形型 |
滲出液吸収性:滲出液が多い場合、適度に吸収しつつ湿潤環境を保つものが使いやすいです。
◇ポリウレタンフォーム
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
ハイドロサイト AD プラス | クラスⅢ | γ線 | 個包装 皮下組織に至る創傷用・標準型 |
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ハイドロサイト AD プラス 仙骨用小 17.5×17cm | クラスⅢ | γ線 | 個包装 皮下組織に至る創傷用・標準型 |
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3M(TM) テガダーム(TM) フォーム ドレッシング | クラスⅢ | 〇 | 皮下組織に至る創傷用・標準型 |
◇ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
メピレックス® ボーダー フレックス | クラスⅢ | EOG | 個包装 皮下組織に至る創傷用 標準型 |
◇キチン:甲殻類の外骨格から抽出されたムコ多糖類
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
ベスキチン®W-A | クラスⅢ | 〇 | 皮下組織に至る創傷用・標準型 | |
ベスキチン®W BC-W | クラスⅡ | 〇 | 真皮に至る創傷用 | |
ベスキチン®W(SP) | クラスⅡ | 〇 | 真皮に至る創傷用 | |
ベスキチン®F | クラスⅢ | 〇 | 筋・骨に至る創傷用 | (N)(D) |
◇アルギネート・ドレッシング
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
アルゴダーム トリオニック | クラスⅢ | 電子線 | 個包装 皮下組織に至る創傷用・標準型 出血している創、滲出液が多い創、ポケットがある創に |
疼痛緩和
◇ハイドロコロイド
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
デュオアクティブETシリーズ | クラスⅡ | γ線 | 個包装 真皮に至る創傷用 |
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デュオアクティブ®CGFシリーズ | クラスⅢ | γ線 | 個包装 皮下組織に至る創傷用・標準型 |
◇ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
ハイドロサイト AD ジェントル | クラスⅢ | EOG | 個包装 皮下組織に至る創傷用・標準型 |
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メピレックス® ボーダー フレックス | クラスⅢ | EOG | 個包装 皮下組織に至る創傷用 標準型 |
◇キチン
商品名 | クラス分類 | 滅菌 | 備考 | PMDA |
ベスキチン®W-A | クラスⅢ | 〇 | 皮下組織に至る創傷用・標準型 |
スキンケア関連用品
排泄物が皮膚についた状態が続くと、皮膚トラブルに繋がります。保護クリームを使用することで接触刺激から皮膚を守ることができます。
種類がたくさんあるけど、状態に合わせて選ぶのが大事ね
5.まとめ
褥瘡はつくらないように予防が必要なことと、適切に処置すれば治ることがわかりました。
アズワンの取扱商品でも予防から治療まで使用できる多くの種類の商品を取り扱っています。もし、ご希望の商品が見つからない場合はお気軽にお問い合わせください。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました!
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